2021年12月20日

あたりまえ18

私は、家の寿命は長ければ長いほどいい
そして家を修繕・維持管理していくお金も
安ければ安いほどいい



そういう考え方なんです、だけど自分が
そうだから他の人達もそうかといえば
全然そんなことない



むしろ、スクラップ&ビルドが大好き
造って壊して、造って壊してが大好き
新築して解体するまでのサイクルが
早すぎる



まあ、新築して解体するサイクルが
早ければ早いほど建築業界は潤います



例えば



新築造って3,000万円、30年後に解体して
300万円、そしてまた新築造って3,000万円
そして30年後に解体で300万円

これで60年間の合計額は6,600万円



次に



新築造って3,000万円、60年後に解体して
300万円

これで60年間の合計額は3,300万円



全然違う! 金額が全然違う!



凄く雑な計算ですが、60年間で1度
だけ家を造るケースと、60年間で2回
家を造るケースでは金額が月とスッポンポン



長持ちしない家は、基本的に建築業界は
生唾ごっくん、股間あちこーこーで大歓迎




設計事務所も新築で設計料、解体して
新築でまた設計料というように、仕事が
増えて困らない



設計事務所も長持ちしない家は、本音では
ありがたいと思っているんじゃないかな




しかしながら世の中には天邪鬼な人がいて
長持ちする家しか造らない、なんて血迷った
ことを言う建築会社や工務店、設計事務所
があるんだよね



そういう人どこにもいるでしょ、大きな
ものに巻かれないで刃向かうバカが




石垣島の家はより短命に、より短命に
という流れになっているのは間違い
ないです



この流れはしばらく変わらないでしょう
だって短命な家って魅力的なんだよな



どう魅力的なのか



例えば、20坪で2,000万円のコンクリヤーと
20坪で1,400万円の軽量鉄骨、どっちの
構造で新築住宅造りたいですか?



やっぱり1,400万円の軽量鉄骨に惹かれる
のが島の人間ですよ



600万円もコンクリヤーより安ければ
島の人間は大興奮ですよ、鼻息も荒く
なるってもんですよ



だがしかし、この600万円の差を見せつけ
られてもなお軽量鉄骨を選択せずに
コンクリヤーを選択する島の人間もいます



何故か?



台風が怖いからか、それとも
金持ちだからコンクリヤーなのか
それとも設計士にそそのかされたのか



そういう人もいるかもしれませんが
多くの人がコンクリヤーにするのは
長い目で見れば安いということに気づいて
いるからだと思います



やっぱり石垣島というか沖縄では、長い
目で見ればコンクリヤーが安いのは確か



しかしここで1つ疑問が



コンクリヤーが長い目で見れば安いなら
どうして本土のほとんどの家は木造なの?



コンクリヤーが長い目で見れば安いなら
本土の人も木造じゃなくコンクリヤーに
しているはずだ



そういう疑問も出てくるでしょう



そして



やっぱり石垣島の人は騙されているんだ
建築会社の陰謀だ、生コン会社が裏で
牛耳っているんだ



金額の高いコンクリヤーなんかやめて
石垣島の人達に安い家を!



木造だ! いやもっと安く軽量鉄骨だ!
コンテナだ! 



いやもっともっとだ!



海外にはダンボールで出来た建物があるぞ!
石垣島にダンボールの家がないのは
おかしい!



石垣島にダンボールハウスを!



安ければ安いほど、私達石垣島の人間は
飛び付きます!




そんな結論になる人が多数だと思いますが
そう物事は単純ではないですね



安ければ安い家ほど、石垣島では本土より
ボロくなるのが早い



それですぐ傷んで、修繕費やリフォーム
お金がどんどん出ていく、こんなに後から
お金が出ていくなら結局コンクリヤーと
変わらない、なんて事になり



30年後にもうボロくなりすぎて解体、
そして新築となれば、もう完全にアウト



60年間で2回も家を造ったら、コンクリヤー
を60年間で1回造るより、めちゃくちゃ
高くなる



60年間、高い金払って軽量鉄骨に住むより
安い金で60年間コンクリヤーに住んだ方が
絶対にいい



先を見通せず、目先の安さにつられて
結局、高い金を払うことになります



まさに、ことわざにあるように
「安物買いの銭失い」なるわけです



特に人付き合いしない私でもいろいろと
聞きます「安物買いの銭失い」になって
しまった家の話です




そんな話を次回







あたりまえ19へ続く


















posted by ひろ at 13:20| Comment(0) | あたりまえ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月06日

あたりまえ17

これまでのブログを読むと家の寿命って
結局よく分からないという結論になりそう
ですが、それではダメよ



会議で話し合った結果、何も結論が
得られなかったと同じになるから



結論を出す為に会議をするのに何も
結論が得られないというのは、大工さんが
現場に1日入って工事がまったく進んで
ないのと同じことです



それはあり得ない





そこで私が独断と偏見で家の寿命を決めます




まず考えの核となるのは経済的耐用年数



これは先のブログで書いた、家がボロボロに
なってくると維持管理費、修繕費、改修費
など金食い虫になり、大規模なリフォーム
リノベーションしなければいけないけど
めっちゃ金かかる、どうしよう

もうこの際、めっちゃお金かかるなら
思い切ってボロ家を解体して、新築を
建てようか、となる年数のことです



この経済的耐用年数の考え方が現実的
ですよね




それで木造の経済的耐用年数はいくら?
鉄筋コンクリートの経済的耐用年数は?
と疑問になるけど、これも年数がないのよ



家によってもの凄く年数に幅が出るので
何年と決められない



それを信頼設計が独断と偏見、いや
かなりの偏見をもって決めます



それでいきなり発表!



鉄筋コンクリートの経済的耐用年数は70年
木造は33年、軽量鉄骨は28年



この年数は法定耐用年数を1.5倍したもの
木造22年×1.5=33年 というぐあい



1.5倍は私が超適当に決めました




各構造の家がこの年数になったら
めっちゃ金かけて大規模なリノベーション
をするか、解体して新築にするか
どちらかを選択することとする



大規模なリノベーションする場合は
一旦アパートなどに半年〜1年ほど
仮住まいをするぐらいの工事です




というわけで家の寿命が決まりました
私が乱暴に決めたけど



家を新築する際、又は中古住宅を購入
する際はこの家の寿命を参考にしてみて



例えば35歳で築15年の木造中古住宅を
購入しようとする場合、あと18年で
解体して新築か大規模なリノベーション
しないといけないな、その時は53歳に
なってるな、ん〜あとあと金がかかりそう

そうなるとこの築15年の木造中古住宅の
価格は思ったほど安くはないな

なんて考え方の参考にできます



間違っても、価格の安さに飛び付いて
購入したはいいが53歳になってから
家がボロボロでそれ直していくのに
めっちゃ金かかることに気づいてガックリ

金がないからボロボロの家を放置してたら
凄まじく強烈な台風が石垣島に直撃しそうで
心臓ドッキリ




他に例えば35歳で新築住宅を建てようと
考え、軽量鉄骨が木造や鉄筋コンクリート
より安いからという安易な理由で軽量鉄骨の
新築住宅を建てました

28年後の63歳で家がボロボロ、35年の
住宅ローンがまだ7年も残っているのに
解体して新築はムリ、大規模なリノベーション
やる金もないよ、どうすんの

また銀行から金借りるの?
リノベーション費用を?
貸してくれるの? 63歳で?

金借りたくないからボロボロの家を放置
してたら凄まじく強烈な台風が石垣島に
直撃は確実、諦めを通り越して無の境地に







あたりまえ18へ












posted by ひろ at 18:17| Comment(0) | あたりまえ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月18日

あたりまえ16

建物の寿命は法廷耐用年数だけを参考に
しておけばいい、というわけでもないから
ややこしい〜



法廷耐用年数はあくまでも1つの目安
ぐらいに思っておいた方がいい



法廷耐用年数はもともと減価償却等の
計算用なので・・・




ほかに参考になるものといえば、滅失登記
つまり解体した建物の平均年数



この建物は築30年で解体された、あの建物
は築35年で解体、こっちは築26年で解体
という具合に解体された建物の築年数を
調べて平均を算出



そうすると



木造で約31年   
鉄筋コンクリートは約68年
他の構造が気になった人は自分で調べてね



建物の解体は本当の終わり、寿命が尽きた
人間で言ったら火葬場で灰になって終了



解体される建物の平均年数はこうなるけど
これもまた、あくまでも1つの目安




ほかに目安になるものは
区間残存率推計法っていうのがあって
ある区間の建物(住宅)群が半分は解体され
もう半分は残っている状態になった年数は
というもの



100棟の新築住宅があって、50棟が
解体され、もう50棟は残っている状態



その年数が木造だと約40年
鉄筋コンクリートのデータはありません



つまり、40年たったら100棟あった
木造の新築住宅の半分50棟が解体
されました、ということ




22年やら31年、40年とあるけど
分かりにくいね、結局何年なの? 
一言で簡潔に!って言いたくなるけど



それがそうもいかないのよ〜



建物の寿命、例えば木造はこれだけです!
鉄筋コンクリートはこれだけです!
って言えたらどんなに楽か



建物の寿命ってもの凄く幅があるんだよ
例えば木造っていっても、世界最古
木造建築、法隆寺は1,300年だよ



築年数1,300年の木造って凄すぎだろ



一方で石垣島で木造建てて、10年で
もうボロボロっていうのもあるし



ヤバすぎるよ、10年はキツイよ



10年から1,300年の幅ですよ、この振り幅
この幅で木造住宅の寿命は何年ですかと
聞かれても答えられないって




あと木造と一口に言っても種類がいろいろ
在来木造軸組工法や木造枠組壁式工法
それから丸太組構法などに大きく分けられる
けど、この3種類で寿命が違ってくるのよ



メンテナンスがしやすい在来木造軸組工法が
長持ちさせやすいんだよ





ところで、世界最古の鉄筋コンクリート造
って知ってます?



フランスのパリにある、1904年に完成した
サン・ジャン・ド・モンマルトル教会



世界で最初の鉄筋コンクリート造の教会で
2021年現在で築117年だってよ



ヒ〜〜! もう驚きを超えて恐怖



何が恐怖って、だって117年前だよ
117年前って絶対今の建築レベルより
下の下だろ



鉄筋の質とかコンクリートの質とか
今より絶対悪いって



1904年って日本だと明治の中頃で日露戦争
が始まった年で、石垣島だと前年の1903年
に人頭税が廃止に



そんな時代の鉄筋コンクリート造
フランスは進んでたのね〜







あたりまえ17へ




















posted by ひろ at 20:52| Comment(0) | あたりまえ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする