完成します
用高くんが額に汗して働いていると、眉毛の
角度がバブルなマダムが声をかけてきました
「自分の家を自分で造ってるってね
大変ね〜、いつ頃完成予定なの?」
「完成はいつになるか分かりませんが
頑張ります」
「そう〜大変ね〜、でもいいわね
自分で自分の家が造れて
私の家なんて、もう築40年になるけど
ボロボロよ、旦那に直してって言ってる
けど全然やらないのよ
DIYでやってくれたらいいのに
全然やらないのよ、仕事も退職して
何もやる事なくて、ずっと家にいるのに
やらないのよ
やっぱり、あなたみたいに若い頃から
やってないと歳をとってからだと
やらないものね
最近コロナで、家にいる機会が多いから
DIYをやる人が増えてるんだって
私の旦那はそれでもやらないのよ
旦那があてにならないから、建築業者さん
にお願いしようとしたんだけど、怒るのよ
俺がやるのに何で業者呼ぶか!って
やる、やるって言って、もう何年たったか
海外ではDIYがあたりまえだって
言うじゃない
あなた、海外に住んでたの? だから
自分で自分の家を造ろうと思ったの?」
「いえ、ずっと石垣島です
海外に住んだことはありません」
「え〜そうなの、じゃあ周りにいるの?
自分で自分の家を造った人が?」
「周りにはいません、友達は実家に住ん
でるか、アパートに住んでるかの、どっちか
です
アパートに住んでる友達は、家賃を払って
アパートに住み続けるのがカッコイイ男だと
言ってました」
「え?・・・その友達は歳いくつ?」
「僕と同じ25歳です」
「25歳か、若い〜、でも25歳だったら
そんなものかもね〜
でも、あなたはエライね〜ほんと
旦那にも話をして聞かせるね
25歳の若者が自分で自分の家を造ってる
よ〜って
そろそろ帰るね〜、ごはん作らないと
いけないから
旦那はずーっと家にいるのに、ごはんも
作らないよ
じゅあね〜」